気管支喘息

気管支喘息とは

気管支喘息は、空気の通り道(気道)に炎症(ボヤ)が続き、様々な刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなる(大火事)ことを繰り返す病気です。

日本では子どもの8~14%、大人の9~10%が喘息と言われています。高齢で発症する場合もあります。

原因

喘息を発症させる要因には、ダニ・ペットの毛やフケ・花粉・ウイルスなどがあります。
ただし、その原因物質が特定できないこともあります。

喘息の症状

喘息発作

発作的に咳や痰が出て、ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴って息苦しくなります。
夜間や早朝に出やすいのが特徴です。

咳喘息

喘息の1つの型である咳喘息では「ゼーゼー、ヒューヒュー、息苦しさ」といった症状がなく、咳が唯一の症状です。
咳喘息の約30%が喘息に移行するため、咳喘息でも定期的な治療が必要となります。

診断方法

喘息発作や咳喘息のような症状を繰り返していれば、喘息の可能性があります。

呼吸機能検査

気道の流れが悪くなっていないかどうかを調べます。
気管支拡張薬を吸った後にその流れが改善すれば、喘息の可能性が高いといえます。

呼気NO検査

息を吐いた時のNO(一酸化窒素)を測定することで、気道の炎症の程度を調べます。

血液検査

アレルギー体質かどうかを検査します。

当院で行える喘息の検査

検査項目 検査費用 
※初診料含む検査代のみの費用(令和6年4月時点)
呼吸機能検査 約1,850円
呼気NO検査 約1,160円
喀痰検査(痰の検査) 費用は検査項目により異なります
血液検査(アレルゲン検査、末梢好酸球数測定など) 費用は検査項目により異なります

治療方法

治療は、主に吸入ステロイド薬を用いて行います。適切に使用すれば、副作用は少なく安全です。
喘息の重症度に応じてその量を調整したり、他の薬を追加したりします。

また、アレルギーの原因がわかっている場合はそれらを避け、喫煙している場合は禁煙しましょう。
もし発作が起こったら、即効性のある気管支拡張薬を吸入しましょう。

何度か繰り返しても改善しなければ、速やかに病院を受診してください。

症状がなければ喘息は治った?

気道の炎症は続いています

症状がなければ喘息は治ったと思われるかもしれませんが、気道の炎症は続いています。
炎症が続けばいずれまた発作が起こり、学校や社会での活動に影響を及ぼします。

そして炎症が続くと、気道は元気な状態に戻らず固く狭くなり、治療で症状を抑えることも困難になります。
症状がなくても、日頃から炎症を抑える薬を使って発作を予防しなければなりません。